備えておきたい介護現場の防災について

新人介護士のための災害対応

介護施設において、万が一の災害に備えることは極めて重要です。特に経験の浅い介護士の方は、何をすべきか戸惑ってしまうかもしれません。しかし、基本に忠実に行動することで、自分自身と利用者の安全を守ることができます。最も大切なのは落ち着いて行動することです。パニックになると、適切な判断ができなくなり、事態を悪化させる原因にもなりかねません。深呼吸をして、冷静に状況を把握することから始めましょう。

次に、フロアにいる全ての利用者の安全確認を行います。特に、車いすやベッドで生活されている方は、自力での移動が難しいため、迅速な支援が必要です。安全な場所への移動や、必要に応じて体の保護を行いましょう。また、災害時には通常の連絡手段が使えなくなることも考えられるため、施設の非常用通信機器の使用方法を事前に確認し、いつでも利用できる状態にしておくことが重要です。被害状況や必要な支援を、迅速に施設外部に伝えるためにも、この準備は欠かせません。

施設内の避難経路や避難場所を把握しておくことも重要です。災害が起こった際に、迷うことなく利用者を安全な場所へ誘導できるよう、定期的に確認し、頭に入れておく必要があります。また、各フロアに配置されている非常食や飲料水、救急用具などの場所と使用方法も把握しておきましょう。災害時にはこれらの物資がすぐに必要となるため、日頃から点検と補充を行うことが大切です。

経験の浅い介護士の方にとって、災害時の対応は不安かもしれませんが、基本に忠実に行動することで、適切な対応が可能です。日頃からの準備と冷静な判断が、自分自身と利用者を守るためには不可欠です。施設で実施される避難訓練には積極的に参加し、先輩職員から助言を得ながら、いざという時に適切な行動がとれるよう、準備を整えておきましょう。